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黒塚古墳(天理市)

古代ロマンをかきたてる国史跡の古墳。副葬品の三角縁神獣鏡は邪馬台国畿内説に大きな影響を与えています。

黒塚古墳は、墳丘の主軸を東西に置き、西に前方部、東に後円部がある前方後円墳です。3世紀後半ごろの古墳とされ、全長約134m、後円部直径約74m、高さ約14mの規模を持ちます。最初の発掘調査は1961年で、本格的な学術発掘調査は1997年~98年に行われ、多くの発見がありました。

 

後円部ほぼ中央から見つかった竪穴式石室は、東西に主軸に交差するように南北に設けられ、長さは約8.2m。小口幅や高さなどを含め、石室の規模は全国有数です。地震で一部が崩落した痕跡がありましたが、幸い盗掘を免れていました。石室の棺内からは画文帯神獣鏡(がもんたいしんじゅうきょう)が1面、刀剣が2口見つかり、棺外には三角縁神獣鏡が33面も置かれていました。

 

この三角縁神獣鏡は、卑弥呼が魏の国からもらい受けた鏡とする説があり、卑弥呼の墓とされる箸墓古墳から直線距離で約2.5㎞しか離れていない黒塚古墳から大量に出土したことから、邪馬台国とのつながりを想像することができます。

 

この古墳の大きな魅力は、古墳の上を歩くことができるという点です。周濠を渡り、後円部にのぼると、竪穴式石室の案内板があり、大和三山のうちの耳成山と畝傍山を遠望することもできます。西側の前方部へ降り、木立の中を歩いて市道に出て、南側へ。内堀越しに見ると、前方後円墳の様子がよくわかります。

 

後円部の東に隣接するように児童公園(大型遊具あり)と天理市立黒塚古墳展示館があります。入館無料の黒塚古墳展示館には、実物大に復元された竪穴式石室、画文帯神獣鏡1面と三角縁神獣鏡33面(いずれもレプリカ)などが展示されています。

 

黒塚古墳は、本物の古墳と復元された遺物にふれ、邪馬台国、初期ヤマト政権といった古代へのロマンがふくらむスポットです。


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