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国史跡 太安万侶墓(奈良市)

1979年、奈良市の茶畑で世紀の大発見。『古事記』編纂者のお墓。

もしも、日本最古の歴史書『古事記』がなかったら、日本の古代の解明は今よりもずっと遅れていたに違いありません。
その『古事記』を編纂したのが、太安万侶(おおのやすまろ)です。712年に『古事記』を完成させ、元明天皇に献上しました。

 

茶栽培が盛んな奈良市田原の里。急勾配の坂道を100mほど登ると、茶畑や水田の広がりを眼下に見渡せる場所に、太安万侶の火葬墓があります。1979年、茶畑の整備中に銅製墓誌が出土し、太安万侶の墓であることが判明しました。墓誌には、太安万侶は「左京四條四坊」に住み、「従四位下勲五等」で、「養老7年(723年)7月6日」に死去したことが記載されていました。

 

墓は、直径約4.5mの円墳と推定され、墓誌の上に火葬骨や真珠などを納めた木櫃(きびつ)を安置し、その周囲は木炭で覆われていたようです。

 

1981年に建てられた墓碑を取り囲むように桜の木が植わり、春の一時、桜色に染まる様子を想像することができます。坂の下に案内板と公衆トイレがあります。


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