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天神社(奈良市)

学問の神様・菅原道真御霊をお祀りする古社。奈良公園から一歩離れた閑静な高台から眺望も良し。

天神社は、奈良公園観光の定番スポットである浮見堂から南へ徒歩約5分、あるいは気高き風格漂う奈良ホテルから西へ徒歩約5分の小高い丘の上にあります。人通りは少なく、境内には見どころがあり、鳥居前からの眺望は素晴らしく、隣接する公園の遊具では小さな子どもたちも遊べる、そんないいところがそろった神社です。

 

神社前に掲げられた略縁起によると、当地周辺は奈良時代、「平城の飛鳥」と呼ばれていました(現在も天神社から少し南へ行くと、「飛鳥公民館」など「飛鳥」の呼び名が残っている)。最初にご祭神として迎えられたのが、少彦名命でした。平安時代に菅原道真が崇められるようになると、各地に天満天神が祀られるようになり、当地でも菅原道真の御霊が併せ祀られました。その後、天神社は元興寺禅定院、あるいは興福寺大乗院の鎮守となり、信仰を集めたということです。

 

鳥居をくぐって境内に入ると、道真公ゆかりの神社らしく、牛の像が左右に迎えてくれます。参拝が終わったら、拝所に吊られた燈籠にご注目を。よく見られる金属製のものではなく、天神社では木製の吊り燈籠。古びているものもありますが、精緻な技巧は必見です。

 

境内の東側には小さな池があり、数本の桜やカエデが植わっています。春や秋には、鮮やかな色彩で参拝者の目を楽しませてくれるでしょう。

 

鳥居前からは南と東に視界が開けており、市街の様子や生駒山系などを眺望することができます。また、神社前は「北天満町ちびっこ広場」。傾斜のある園地に、ブランコやジャングルジムなどがあって、遊具や芝の上(鹿さんの落とし物がたくさんあります)で遊べます。

 

『古事記』や『日本書紀』で国造りを担った神々のうちの一神に挙げられる少彦名命に国家安泰や家業繁栄を、菅原道真公に学業成就や技能研鑽を願ってお参りする人が少なくありません。