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奈良の名山を登る 信貴山(平群町)

聖徳太子が毘沙門天王を感得した「信ずべし、貴ぶべし」山。朝護孫子寺を巡る感覚で登ることができます。

2つの峰(北峰437m、南峰400m)を合わせて「信貴山」と呼称されます。伝わるところでは、敵対していた物部守屋を討とうとしていた聖徳太子がこの山を訪れた“寅の年・寅の日・寅の刻”に毘沙門天王が現れ、必勝法を授かった太子はその通りに守屋を討伐。太子はその山を「信ずべし、貴ぶべし」と畏敬し、それが信貴山の由来になった―と言われています。

 

信貴山の奈良県側の南山麓に朝護孫子寺があります。伽藍・境内は広大で、参道の赤門の手前にある大寅が有名です。ご本尊の毘沙門天王がいらっしゃる本堂をお参りしたら、多宝塔、行者堂を経て、寄進された朱色の鳥居が続く道を登り、空鉢護法堂(一願成就に霊験あらたかな守護神として信仰されています)へ。この一帯が山頂(北峰)です。

 

迷いにくいルートなので安心です。天候にもよりますが、頂上付近からは南へ連なる二上山、岩橋山、大和葛城山、金剛山の山系が見渡せます。標高500mに満たない低山としては贅沢な眺望が待っています。

 

空鉢護法堂のすぐ近くには、「星祭り本尊」と「信貴山城跡」があります。信貴山城は中世の山城で、天正5年(1577年)に松永久秀勢が織田信長軍を相手に籠城の末、落城しました。空堀の切り通し堀や土塁、高櫓跡などが現存しています。

 

聖徳太子や毘沙門天王などを信心しながら、あるいは戦国の世にこの山であった戦乱を思いながら登る信貴山。登山というよりも、朝護孫子寺の境内を端から端まで歩いてお参りするという感覚です。下ってからは、開運橋を渡った先の信貴山観光ホテルで日帰り温泉入浴が可能です。

 

「信貴山朝護孫子寺」を巡るモデルコース記事はコチラです。


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