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五十二段(奈良市)

猿沢池と興福寺を結ぶ、仏の悟りを求めて歩く52段。

長い階段を上るとき、何段あるのか、上りながら数えてみるのは人情なのかもしれません。猿沢池から興福寺・五重塔に向かってそびえる石の階段、数えてみると52段ありました。段数からお察しの通り、この石階段は「五十二段」と呼ばれています。たまたま52段になったのではなく、この数字に実は深い意味が込められているのです。

 

五十二段は、仏門への修行の段階を意味する「菩薩五十二位」に由来するといわれています。仏の悟りを求めて、一段、また一段。そして五十二段目(五十二位)にたどり着くと、仏と同格であるとされるのです。

 

ならまちや猿沢池を散策し、さて興福寺へ行こうというとき、この石階段を見上げて、へこたれていてはいけません。「五十二位」へ到達するのは、実際に上るよりも遥かに苦難苦行であるはずです。それを思いながら、石段を52歩、踏みしめて上りましょう。

 

また、階段下は、階段を含めて6本の道に分かれる「六道(りくどう)の辻」。人は前世の行いによって、生まれ変わりが決まるといわれていますが、それが六道で、「天上」「人間」「阿修羅」「畜生」「餓鬼」「地獄」です。

 

階段の上へ進む道が「天上」だとすると、あなたが階段を下ってから進む道は、どれにつながっているのでしょうか。そんなことを考えながら、五十二段を歩いてみてください。

 

なお、2009年~2010年には、約110年ぶりに解体修理工事が行われました。
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