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名刹・風景・伝統をじっくり巡る西ノ京コース

薬師寺、唐招提寺の文化財や歴史的風土を静かに味わいたい方におすすめのモデルコース

薬師寺、唐招提寺を中心とする西ノ京エリア。奈良公園エリアに比べて「THE観光地」というようなにぎやかな雰囲気はあまりなく、また、鹿さんと触れあえるチャンスはありませんが、落ち着いた気分とペースで散策できます。奈良の寺院文化財や歴史的風土を静かに味わいたい方におすすめのモデルコースです。

スタート

近鉄大和西大寺駅から1駅(約2分)。小さな尼ヶ辻駅がスタートです。

1 近鉄尼ヶ辻駅

2 垂仁天皇陵

グーグルMAPなどを見ると「宝来山古墳」と出ます。この前方後円墳に誰が埋葬されているのか明らかになっていませんが、宮内庁は「菅原伏見東陵」とし、『日本書紀』に第11代垂仁天皇のみささぎ(墓所)について「菅原伏見陵」とあることから、垂仁天皇陵だとされています。東側、あるいは南東側、南側から眺めると、墳丘に茂る緑と周濠の水面が美しい。周濠に陪塚が小島のように浮かんで見えるのも特徴です。

3 唐招提寺

世界遺産『古都奈良の文化財』に含まれる寺院。不屈の精神で奈良時代の日本に渡ってきた、唐の僧・鑑真により759年に建立されました。奈良時代建立時から現存する金堂(国宝)には本尊・廬舎那仏坐像や薬師如来立像、千手観音立像などが安置され、金堂正面に並ぶ8本の円柱も見もの。金堂の背後にある講堂(国宝)は平城宮にあった宮廷建築を移築したものです。縁起もののうちわがまかれる5月の「梵網会」、鑑真和上像や東山魁夷の障壁画が特別公開される6月の「開山忌」は絶好の参拝日です。

4 薬師寺

世界遺産『古都奈良の文化財』に含まれる寺院。南都七大寺のひとつで、興福寺とともに法相宗の大本山。680年に天武天皇が飛鳥藤原京に建立を発願し、平城遷都の後、現在地に移転したとされています。伽藍ではなんといっても、東塔と西塔が有名です(ともに国宝)。奈良時代から現存する東塔は先端部の「水煙」にある飛天像などの透かし彫りを評して、「凍れる音楽」と絶賛された三重塔です。平成の解体修理が完了する2020年6月頃(予定)のお披露目が今から楽しみです。金堂の薬師三尊像や東院堂(国宝)はもちろん、玄奘三蔵院の平山郁夫作「大唐西域壁画」もぜひ拝観を。

5 大池(勝間田池)

薬師寺の西に水をたたえる大池。畔をぐるりと取り囲む木々(春にはサクラがきれいです)や水生植物、のんびりと水面を移動する水鳥といった自然風景はもちろん、何といっても最大の魅力は、大池越しに眺める薬師寺伽藍、若草山でしょう。特に、朝焼け、夕焼け、満月など月の出の時間や毎年1月の若草山の山焼きの夜は絶景タイム。ただし周辺道路は一般の生活道路です。マナーを守って写真撮影や写生を楽しんでください。奈良県の「まほろば眺望スポット百選」のひとつに選ばれています。

6 赤膚焼古瀬堯三

赤膚焼は奈良の伝統工芸のひとつ。桃山時代にこの地に開窯されたといわれています。やや赤みを帯びた器肌に、御伽草子などを題材にした「奈良絵」が描かれているのが、赤膚焼の特徴です。現在6つの窯があり、古瀬堯三窯には、江戸時代の文政年間にあった「東の窯」「中の窯」「西の窯」のうち、「中の窯」の大型登り窯が現存します。同窯では、日常使いの器から、特別感漂う品格の器まで、幅広い作品を手に取って吟味できます。

近鉄西ノ京駅 大和西大寺駅まで2駅(約4分)。

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