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◎中秋の名月と采女祭(うねめまつり)

悲恋の采女の霊を慰める采女神社の祭事。龍と鳳凰をかたどった船が花扇などで装飾され、あでやかな衣装の花扇使らを乗せて猿沢池を巡ります。雅やかで幻想的な月夜のドラマを楽しめます。

【中秋の名月にあわせて】

 

 

残暑がやわらぐと、夕涼みをしにまち歩きに出かけたくなります。めざしたのは、興福寺五重塔が見下ろす猿沢池。ご近所の市民や観光客、ときどき鹿ファミリーも水辺を覗き、ホッとひと息ついています。

 

この猿沢池の北西に采女神社がたたずんでいます。鳥居に向かって後ろ向きに立つ珍しい神社です。平安時代の『大和物語』によると、奈良時代に帝(みかど)に仕えていた采女が、帝の寵愛が衰えたことに嘆き、猿沢池畔の柳に衣を掛け、入水したので、その霊を慰めるために建てられた―とされる社です。

 

この采女神社で毎年、中秋の名月の日にあわせて采女祭が行われます。

 

 

【花扇行列と遊覧見物】

 

 

奈良公園やならまちを散策した後にちょうどいい、17時から花扇奉納行列がスタート。秋の七草で飾られた2mほどの花扇と、十二単の花扇使、数十人の稚児らの隊列が天平衣装で、JR奈良駅から猿沢池に向かって市内を練り歩きます。

 

18時~采女神社にて、春日大社神官による神事と花扇奉納。

 

 

19時~管絃船の儀。2隻の管絃船に花扇、花扇使らが乗り込み、雅楽が奏でられる中、流し灯籠が浮かぶ猿沢池を漕ぎ巡ります。花扇は最後に池へ投じられます。

 

名月が照らし出す猿沢池で繰り広げられる優雅な時間。雰囲気に酔いながら、シャッターチャンスを逃さぬように。

 

 

 

【赤い糸、通せますか?】

 

 

采女神社では、采女祭の日に限り「糸占」を授与しています。神社前で名月の明かりを頼りに針に赤い糸を通すことができれば、願いが叶う―と言われています。

 

悲恋の乙女をまつった采女神社は、転じて縁結びの神様としても知られています。自らの恋が最後まで叶わず、悲嘆のうちに入水した采女が、他人の恋愛に力を貸してくれるのかと疑うのは、野暮というもの。

 

「せめてあの世では恋を実らせてお幸せに」という人々の祈りが1000年以上も積み重なり、きっとその通りになったのでしょう。采女は恩返しとばかりに現世の人々の恋愛相談に耳を傾け、成就に尽くしているのかもしれません。

 

采女神社の赤い糸、あなたも通せますか?

 

 


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