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葛城一言主神社(御所市)

お願い事はひとつだけ! 一言の願いであれば、なんでも聴いてくださる神様です。

大和葛城山を仰ぐように鎮座する古社で、一言主大神(ヒトコトヌシオオカミ)と幼武尊(ワカタケノミコト)をご祭神とします。一言の願いであれば何ごとでも聴いてくださる神様として古来各地から篤く信仰されています。

 

ここに鎮座する一言主大神は、雄略天皇(幼武尊)が葛城山で狩りをしているときに顕現されました。『古事記』には、雄略天皇と同じ姿で現れた“人物”が「吾は悪事も一言、善事も一言、言離の神、葛城の一言主大神なり」と告げたところ、雄略天皇は大いに畏敬したことが記されています。この「神降」の聖地に鎮座しているのが、葛城一言主神社です。

 

古来、神格が高く、『延喜式』では名神大社に列し、後光厳天皇(北朝)からは「正一位」が贈られました。また、最澄(伝教大師)が唐に渡るのを前に、葛城一言主神社を参拝し、一言主大神に祈願をしたことが伝わっています。

 

境内に入ると、正面に樹齢650年とされるムクロジの古木があります。札にある「無患子」(ムクロジ)は「子どもが患うことが無いように」との願いが込められています。

 

拝殿で「一言だけ」お祈りした後、振り返ると、イチョウの巨木が。樹齢1200年と推定される、葛城一言主神社のシンボルです。大きさもさることながら、気根(きこん)が見られるのも特徴で、その垂れ下がる様を乳房に見立てて、子授かりや母乳がよく出るようにと願う人も少なくありません。11月頃には無数の葉が黄金色に染まり、訪れた人々にあたたかな色と光が降り注ぎます。

 

神社にお参りすると、あれもこれもとお願い事をしたくなりますが、葛城一言主神社では「ひとこと」だけに。単刀直入、端的に、力強く、心を込めて願えば、しっかりと聴いてくださることでしょう。