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◎奈良の紅葉ベストスポット

奈良もまもなく紅葉シーズンを迎えます。今年の秋はどこへ紅葉観賞に出かけますか。1300年以上前の大和の人々も見とれた紅葉を、今も眺められるという幸せをかみしめながら、奈良のおすすめ紅葉スポットを紹介します。

奈良公園

紅葉と鹿、セットでいかがですか

 

緑の芝生が印象的な奈良公園。実は、夏が過ぎ、秋風にホッとする季節、黄色や紅色に染まる景色もまた見事です。広大な奈良公園の中でおすすめしたいエリアは3ヵ所。イチョウが黄色いじゅうたんを広げる東大寺大仏殿裏。奈良県新公会堂から東大寺南大門前までにカエデやサルスベリが染まる吉城川沿いの一角。青空にナンキンハゼ赤が映える飛火野。ほかに春日大社参道や浮見堂周辺などの紅葉も鮮やかです。あちこち散策して、お気に入りの紅葉シーンを見つけてください。

 

 

竜田川

紅葉の歴史的名所といえば

 

生駒山から平群、斑鳩の里を流れる竜田川。古来、景勝地として知られ、特に紅葉は名高い。古今和歌集の「ちはやぶる神世も聞かず竜田川 からくれないに水くくるとは」(在原業平)、後拾遺和歌集の「嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり」(能因法師)と詠まれたほか、歌川広重の名所図会にも描かれるなど、歴史的景観といえます。主な紅葉観賞スポットは、奈良県立竜田公園(斑鳩町)など。12月上旬頃まで紅葉を楽しめます。(写真提供:奈良県)

 

 

 

みたらい渓谷

渓谷の錦の芸術にひと目ぼれ

 

天川村の洞川温泉から山上川の清流沿いに約4㎞の遊歩道が整備されています。初夏にはホタルが舞う一帯は秋の気配が漂い始めると、周囲の山の上部から紅葉が風呂敷を広げるように降りてきます。大小の滝、深い淵を眺めつつ、ふと見上げると朱や紅や黄に染まる葉や木々。自然が織り成す芸術に感嘆し、癒されていることを実感できます。

 

 

春日奥山遊歩道

秋のカラフル・ハイキング

 

世界文化遺産「古都奈良の文化財」の一角を成す春日山原始林を周遊できるハイキングコース。狩猟や伐採が厳しく制限されてきた山では、落葉樹、針葉樹、巨樹、若樹など、あらゆる木々が育ち、紅葉、黄葉、あるいは常緑のものが重なりあい、カラフルな表情を見せてくれます。ハイキングコースは数ルートあり、どれも険しいものではないので、ファミリーやシニア層も秋の自然をマイペースで楽しめます。

 

 

依水園

やっぱり日本庭園は落ち着きます

 

2つの池泉回遊式庭園を組み合わせた広大な日本庭園。中でも東大寺南大門や若草山を借景とする「後園」は開放感があり、壮観。真っ赤なドウダンツツジや日一日と色づくイロハモミジなどが、ひと味違った紅葉を体験させてくれます。歩きやすく整備された散策路をのんびり歩けば、贅沢な秋時間が過ぎていきます。

 

 

談山神社

ライトアップされる紅葉にうっとり

 

大化の改新を成し遂げた藤原鎌足を御祭神とする神社。鎌足のお墓を多武峰に移した際に建立した十三重塔に映える紅葉など、秋の境内は濃淡さまざまな紅葉に覆われ、観賞する人の心まで染め抜くほどの勢いです。奈良県屈指の紅葉スポットなのでシーズンは大賑わい。例年11月中旬~12月初旬が見頃です。

※気候により色づきや見頃が変動する場合があります。

 

 

 

長谷寺

“花の御寺”で秋の醍醐味を味わう

 

高さ約10mの十一面観音を本尊とする日本有数の観音霊場。『枕草子』『源氏物語』などにも描かれた古刹です。桜、紫陽花、石楠花、牡丹…四季の花々が境内を彩り、古くから“花の御寺”と親しまれています。紅葉も絶景で、本堂・外舞台がいちばんのビューポイント。五重塔方向の景観が特にすばらしい。眺めるだけでなく、境内の参拝路を紅葉の木々をくぐりながら歩くのも、季節の移ろいが感じられておすすめです。

 

 

正暦寺

古来、美しい紅葉が評判の「錦の里」

 

992年、薬師如来を本尊として創建された正暦寺(しょうりゃくじ)。奈良市と天理市の山あいに位置し、11月になるころには、3000本を超えるカエデが順番に色づいて錦を織っていきます。大イチョウの下に広がる“黄色いじゅうたん”も秋の風物詩です。特に、福寿院から望む紅葉は格別。しばらくそっとしておいてほしい気持ちになってしまいます。本堂へ続く道のりも紅色や黄色に染まり、まさに「錦の里」にふさわしい景色が訪ねる人を迎えてくれます。


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