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平城京西市跡(奈良市)

奈良時代、平城京の暮らしを支えた“スーパーマーケット”

人口10万人の都市で、人々が不自由なく暮らしていくためになくてはならないもの。何だと思いますか?
衣食住の様々な生活インフラを挙げることができますが、市(市場/今で言うなら「スーパーマーケット」でしょうか)もまた生活に欠かせないものです。

 

奈良時代の都・平城京には2つの官営市場がありました。右京の西市と、左京の東市です。

西市は、現在の近鉄九条駅の東側にあったとされ、広さは実に7万平方メートルもあったと考えられています。秋篠川が佐保川との合流地点に差し掛かろうと東向きへ流れを変えるあたりに西市の船着場跡があり、川の土手から50mほど下ったところに西市跡を示す碑が建てられています。

 

史料などから、西市は正午から日没まで開かれ、米、麦、魚、塩、野菜といった食料品のほか、衣料品や日用品なども売られていたようです。
船着場は大和川経由で難波と結ばれていて、当時あらゆる物資が川をさかのぼって平城京まで運ばれてきたのでしょう。

 

平城宮跡からは「西市司交易銭」「西市交易銭」と書かれた木簡が見つかっています。当時のお金(紐を通して束ねた銭)に付けられていたと考えられています。

 

薬師寺(南門)から秋篠川沿いに西市跡の碑まで徒歩約16分。周囲に民家や田畑が点在する場所で耳をすませば、往時の市のざわめきを遠くに感じることができるかもしれません。


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